アニメから入った「ゼロの使い魔」を改めて読んでみた感想(1)

 昨年に「ゼロの使い魔」のアニメを見て、今年は原作を読ませていただきました。
 異世界、ラブコメに加えて少年誌的な展開など、長きにわたって愛される理由がわかります。
 ちょうど15周年という節目なので、少しでも盛り上がればいいなと思います。

はじめに
 昨年のソードアートオンライン(SAO)の3期アニメ化をきっかけに原作を読んで小説とアニメという媒体の違いが見えたような気がします。
 その後は同じ作者さんのアクセル・ワールドを読んでいましたが、色々あって2巻で止まり、ロードエルメロイ2世の事件簿が始まる直前にFate/Zeroを読みました。
 元々読書の習慣があったので読むこと自体は楽しく、ちょっと気持ちに余裕が出てきたので以前アニメを見た「ゼロの使い魔」に挑戦することになって現在に至ります。

 小説をアニメにするとキャラクターの心理描写を中心にカットされる部分が出てきますが、4クールで20巻をアニメ化したことからお話そのものもかなり違ってきていました。
 先のSAOは2期4クールで8巻、さらに3クール2クール増えて14巻までですから、本作が原作を大きく省略していることがおわかりになると思います。
 ゼロ魔のアニメそのものは4期終盤のオリジナル展開を含めてうまくできていたと思いますが、原作を読んだらアニメが入門編、原作が本番といってもいいと思います。 

 ここからざっとお話を振り返りながら思ったことを適当に書いていこうと思います。
 以前SAOの15巻以降について書いた時はできるだけネタバレは伏せましたが、かなりの部分がアニメ化しているので容赦なくネタバレも書いてしまいそうです。

第1章 原作1~3巻及びアニメ1期について
 お試しでも読めるからと1巻から読んでいき、才人さんが召還されるあたりはテレビアニメを懐かしみながら読んでいました。
 初期のルイズさんの厳しい態度も後の展開を考えるとほほえましい一方で、才人さんは原作に比べると積極的に動いてきたのは驚きました。
 ヒロインの寝込みを襲おうとし、ふてくされれば飲酒する原作の彼は、良くも悪くも欲望に忠実なところが人間らしいです。

 やや首をかしげそうになる設定ではあるものの、ギーシュさんとの決闘で意地を見せ、フーケさんとの戦いでも活躍するところはアニメと同様にかっこよかったです。
 キュルケさんとの絡みやワルドさんとともにアルビオンに向かう途中までは原作と同じものの、ウェールズさんが空賊に扮しているところは目から鱗が落ちました。
 ルイズさんが亡命をすすめる一方で、負けるとわかっていても戦おうとするウェールズさんの姿はまぶしかったです。

 原作同様にウェールズさんがワルドさんに殺されますが、クロムウェルさんが原作より早い段階(アニメだと2期序盤)で彼を復活させてきました。
 ウェールズさんを失った後、戦争になだれ込んでいくところはかなり詳細に描かれ、シエスタさんの村が襲われたところはアニメではなかったかも。
 ワルドさんとの決着、そして初めての「虚無」発動など、流れるようにすらすらと読めていけたのはよかったと思います。

第2章 原作4~7巻及びアニメ2期について
 原作4巻、アニメ2期序盤の復活させられたウェールズさんが出てくるお話は結構好きなお話の一つだったりします。
 アンリエッタさんの幸せのために自分を忘れてくれという所は、何度見ても涙なくしては見ることができませんでした。
 ちなみに原作5巻は短編集で、アニメの1期でルイズさんがアルバイトするお話やタバサさんとキュルケさんとの出会いなどが描かれていたかと。

 6巻くらいでルイズさんのお姉さんが出てきたり、コルベール先生の過去がわかったりはアニメと同じですが、原作ではジュリオさんは転校してきませんでした。
 その代わりなのかわかりませんが、ギーシュさんやマリコルムさんが従軍して戦争や人間の生死を間近で感じるお話が印象深かったです。
 アニメだとおしとやかなイメージだったアンリエッタさんもお酒で重責を紛らわせたり、私怨で進軍したりと積極的な面が強いです。

 男子が戦場に向かい、銃後の女子が訓練を強いられ、コルベール先生の過去など、戦争というものが迫ってきて、7巻ではそれが才人さんに一気にのしかかってきました。
 才人さんがルイズさんを眠らせて一人で7万の大軍に向かっていくシーンは本作屈指のもので、原作ではさらに相手兵士の心情もあいなってアニメよりも臨場感が増していました。 
 ウェールズさんの愛にときめき、才人さんの奮闘に心を揺り動かされましたし、特にアニメから入った人にはまず7巻を目標に読んでいただきたいです。

第3章 原作8~11巻及びアニメ3期について
 8巻で才人さんがティファニアさんに助けられるのはアニメと同じなのですが、彼がルイズさんの元に戻るまでが原作だとかなり長いです。
 ルイズさんへの気持ちに悩むところがアニメよりも遙かに深いですし、昨今の少年誌では見られなくなった修行パートもすごく熱いです。
 ゼロ魔は異世界ものの先駆者という評価はよく聞きますが、ラブコメ要素だけでなく、努力・友情・勝利といった少年誌的な要素をも併せ持つところがすごくいいと思います。

 アニメだと2期以降出番がなかったフーケさんでしたが、原作ではティファニアさんとの意外な関係が明かされたのはよかったです。
 また、アンリエッタさんが戦争犠牲者の名簿を見て、私財をなげうって補償を行うところも彼女の成長が見て取れました。
 そういえばアニメだとティファニアさんはすぐに転校してきたのですが、一連のエピソードが抜け落ちたことで全くの別物になってしまいました。

 コルベール先生が実は生きていたところや原作11巻のタバサさんを助けるところはアニメとほとんど同じでした。
 才人さんが功績を認められて騎士になったところや、貴族とその誇りに人一倍執着していたルイズさんが身分を捨てるところは感慨深かったです。
 とらわれのタバサさんを助け出す、仲間のためにビダーシャルさんに立ち向かうところは、ブリーチのソウルソサエティのお話に並ぶものを感じました。

第4章 原作12~20巻及びアニメ4期について
 原作12巻は番外編で一言で言えば「百合」だったのですが、当時は市民権を得ていなかった野かアニメで抜け落ちていたことがすごく残念です。
 アニメでは4話くらいで教皇さんの登場からジョゼフさんとの決着まで進んでいましたが、原作だとルイズさんが才人さんのために真剣に悩むシーンが印象的でした。
 一方で、原作でもようやくティファニアさんが転校してきますが、いじめられても相手と仲良くしたいと言える彼女が一番の聖女なのかもしれません。

 原作の教皇さんは子供達に勉強を教える「善人」な一面だけでなく、聖戦に強い執念を燃やしているところはアニメとは全く別物でした。
 ルイズさんが才人さんを元の世界に戻そうとして無理をしたりするところは、アニメから入った身としては深く考えさせられるシーンだったりします。
 あと、ジョゼフさんに娘さんがいらっしゃったり、タバサさんに双子の妹がいたりして完全に分岐したことがわかります。

 アニメはジョゼフさんとの決着からエルフとの遭遇までは割と原作に近いものの、アニメオリジナル展開で4期を終わらせていたりします。
 オリジナルとはいえ、作者さんが監修されているので、無理のないストーリーになっているので、原作組の方も一度見ていただいてもいいかもしれません。
 原作20巻はルイズさん達が才人さんを救出に向かったところで「残り2冊」とアナウンスがされたものの、作者さんが亡くなられてしまいました。



 書いてきたらかなり長くなったので後半に分けようと思います。
 後半は原作の残り2巻とともに二次創作「勝手にゼロの使い魔」にも言及する予定です。
 あと、異世界ものにおける「ゼロの使い魔」の立ち位置を個人的に考えてみようかと。


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No title

ギーシュはアニメだと出番を削られてたなあ、という印象が強いです
尺の都合があるので仕方ないですが、ああいう少しバカだけど根は良い奴な親友キャラが好きなので悲しかったですね

アンリエッタは原作だと良くも悪くもドロドロしてましたね
当初はウェールズ王子の仇を討つために積極的に戦争を望んだり、多くの犠牲者が出てからそれを後悔したり、才人に浮気をさせたり

ジュリオや教皇もそうですが、みんなアニメだと短く綺麗にまとめるために性格が丸く設定も単純化してるんですよね
これも尺の都合があるから仕方ないし、そのおかげでアニメ版はドロドロしたシーンが少なくて新規が入りやすかった面があるかもしれませんね

ティファ二アもアニメでは孤児仲間の子供たちがいなかったり、原作ほどには才人が好きってシーンが多くなかったりでしたしね 才人の事をさん付けしてたし

ジョゼフの娘はタバサが主人公の外伝では意地悪な上司役で割と出番が多いです

Re: No title

> ギーシュはアニメだと出番を削られてたなあ、という印象が強いです
> 尺の都合があるので仕方ないですが、ああいう少しバカだけど根は良い奴な親友キャラが好きなので悲しかったですね

 確かに、アニメだと従軍シーンもありませんでしたし……
 マリコルヌさんも原作に比べるとかなり出番が減ってました。

> アンリエッタは原作だと良くも悪くもドロドロしてましたね
> 当初はウェールズ王子の仇を討つために積極的に戦争を望んだり、多くの犠牲者が出てからそれを後悔したり、才人に浮気をさせたり

 アニメだとおしとやかなお姫様という感じなのですよね。
 原作で色々と積極的だったのは衝撃を受けました。

> ジュリオや教皇もそうですが、みんなアニメだと短く綺麗にまとめるために性格が丸く設定も単純化してるんですよね
> これも尺の都合があるから仕方ないし、そのおかげでアニメ版はドロドロしたシーンが少なくて新規が入りやすかった面があるかもしれませんね

 彼らのキャラはアニメと原作とでは別ものという印象でした。
 特にヴィットーリオさんは原作では得体が知れない感じでしたし……

> ティファ二アもアニメでは孤児仲間の子供たちがいなかったり、原作ほどには才人が好きってシーンが多くなかったりでしたしね 才人の事をさん付けしてたし

 原作だとすごく積極的ですよね。
 それゆえにルイズさんをやきもきさせますが……

> ジョゼフの娘はタバサが主人公の外伝では意地悪な上司役で割と出番が多いです

 「タバサの冒険」はそのうち読んでみようと思います。
ごあいさつ

愛されたい猫

Author:愛されたい猫
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